「犬は飼い主に似る」という事をよく聞きますよね。言い換えると「時間とともに性格が変化する」このことを、なんとなく受け入れている人が多いと思います。
ですが、具体的にどのようなロジックで飼い主に似るのかって意外と知らないですよね。そんな時に、偶然読んだ論文がなかなか参考になったので紹介したいと思います。
結論から先に言ってしまうと、犬は特定の状況でどのように反応するのはを形作る「気分と性格」の特性を持っているんだそうです。
これは人間に置き換えると分かりやすくて、例えば「結婚」や「両親の離婚」などの人生の大きな変化を経験すると性格が変化する可能性があるといった感じ。。
つまり環境の変化に適応する結果性格が変化するよというものです。それでは詳しく説明していきますね。
ミシガン州立大学が1681匹の犬を調べて分かった「犬が飼い主に似る理由」
これは、2019年にミシガン州立大学で50種類以上の犬種を含む1681匹を調査した研究(R)です。犬の年齢は生後数週間~15歳まで、それで、どのように調べたのかというと、以下の3つの内容を調べたそう。
- 飼い主に愛犬の性格について評価してもらった:怖がりで他の動物に少し攻撃的である。活動的でトレーニングへの反応も良い。など。。
- 犬の行動履歴の質問に回答してもらった:噛みグセがありますか?などの質問に回答してもらった。
- 飼い主の性格についても質問に回答してもらった:あなたは、外向的ですか?メンタルは安定していますか?みたいな質問に答えてもらった。
つまり、外向的な人は、社交の場によく行くなど、活発な行動を取ることが多いでしょう。
逆にメンタルが不安定な人は、気分の浮き沈みが激しい上に、怒りっぽいなどの特徴が人間を対象にした研究で判明しています。
長い時間一緒に過ごしているわけだから「飼い主の性格の特徴は犬の性格に影響を与えるのでは?」という事を調べたというい研究です。
やっぱり犬は飼い主に似る
それでなにが分かったのかというと、飼い主の性格で愛犬への評価に特定のパターンがあったそう。。具体的には以下の通りです。
- 外向的な人は愛犬を興奮しやすく活動的であると評価した!!
- ネガティブな感情が強くメンタルが不安定な人は、愛犬をより攻撃的で活動的、トレーニングに対する反応が悪いと評価した!!
- 協調性がある人は、愛犬を人や他の動物に対して恐れることなく、攻撃的でもないと評価した!!
なかなか面白い結果ですよね。客観的に犬の性格を調べたわけではなく、飼い主に愛犬の評価をさせたという物ですが、妙に納得できてしまう内容です。
人間の場合でも、明るい人と一緒にいると自分も明るい気分になったりしますしね。
逆もそうです。「ストレスは周りの人に感染する」という論文もあるくらい
どんなに年をとっても、変わらない性格の特性があった!?
さらに、子犬の頃は活発で落ち着きがなかったが年齢を重ねるごとに落ち着きが出てきたなど、年齢によって犬の性格が変わることがあります。
しかし、犬の年齢を通して変わらない性格の特性があるそう。
- 年齢を重ねても変化しない性格の特性は、恐怖と不安!!
いくら年を取って落ち着いたとはいえ、怖いもんは怖いし、不安にもなるそう。これも人間も同じかもしれません。
またこの研究は、しつけを行うのに最適な年齢はいつなの?も調べてくれています。
しつけの「スイートスポット」と6歳前後
結論から先に行ってしまうと、「トレーニングに最適な時期は6歳前後!!」のようです。
理由は簡単で、年を取った犬はしつけが難しく、子犬の頃は興奮しやすいので、落ち着きだした6歳ごろが最適な時期とのこと。。
「子犬の頃にしつけをしないとダメ」みたいな風潮が日本ではありますが、案外時間があるみたいです。
また、日本の場合は、子犬の頃から育てるというのが当たり前ですが保護施設やシェルターなどから、犬を引き取ってもしつけは間に合うとも言えますね。最後に研究者のコメントを引用させてもらうと、、
「シェルターから犬を引き取るとしましょう。いくつかの性格の特性はおそらく生物学に結びついており、変化に対して抵抗力がありますが、その後、それを新しい環境に置き、愛して、歩き、楽しませることをしたとしましょう。そうすれば、犬はもう少しリラックスして社交的になるかもしれません」
犬を飼おうと思っている方は保護犬を引き取ってみちゃいかがでしょうか?
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